ワシは内館牧子の王様になるんや!
あの娘ぼくが内館牧子決めたらどんな顔するだろう
手放し――それは夢を生きる秘訣。
書いているレッスンは、実際に私が試してやってきたことです。
私は、あの舞台での不思議な体験以来、心理学やスピリチュアルなことを学びまくりました。
世界中を旅し、たくさんのメンターに会いました。
最近では「引き寄せの法則」や「ポジティブシンキング」など一般的になり、現実は自分の意識が創り出している、意識の影のようなものであると、多くの人が言っていますが、当時は「ヒーリング」ということさえ怪しいと思われる時代でした。
脚本家として新人の頃、私はよく「内館牧子」さんや「向田邦子」さんになっていました。
そう、売れっ子脚本家を演じるのです。売れていない「私」ではなく、当時一番売れていた内館さんや、尊敬する向田さんなら、どんな行動をし、選択をするのか、イメージするだけでなく、実際にその人になって生活してみる、これは、けっこうパワフルだし、おもしろいです。
遊び感覚でやる。
それが功を奏してか、私の脚本家としての仕事は増えていきました。
そんなある日、家を建てることになりました。
子どもが生まれて、それまで住んでいた住まいが手狭になったのです。夫は、取締役社長とはいえ、小さな清掃会社を営む者、そして、私もまだまだ原稿料の安い新人の身、そんなにたくさんのお金があるわけではありません。
しかし、私は、自分の仕事場からは美しい緑が見れるのが理想でした。
で、ふと思い出したのが、友人の丸元サナエさん。
彼女は、亡き料理評論家の丸元繁雄さんの奥さまで大磯の山の上の邸宅にお住まいでした。
お住まいも素敵だったのですが、素晴らしかったのはお庭でした。
丸元さんのお宅の前は山で、それはご自分の所有ではなかったのですが、借景して、一山まるごと、ご自分のお庭のようでした。
丸元ご夫妻こそ、私の理想の家に住んでいらしたのです。
そうなりたかったら、すでにそうなっている人のそばにいるべし、そう思っていた私は早速、サナエさんにお願いしておうちにお邪魔しました。
当時はお元気でいらした繁雄さんの料理をいただいて、ご夫妻のご友人たちと歌ったり踊ったり、楽しい一日を過ごしました。
私は、丸元さんの、素敵な家に住む人のエネルギーを感じ、自分もまたそうなっているところをイメージしました。
そして、十分、その波動になったら、あとは忘れる。つまり手放すのです。
実際にそうなってもそうならなくてもいい、と思えるところまで執着を手放すのです。
夢をビジョンで見るワークや、引き寄せの法則や、夢を生きるメソッドはさまざまあって強力だと思いますが、私は、この「手放し」こそ、夢を実現する秘訣だと思っています。
「欲深さ」や「エゴ」が入り込んだ時、必要以上の「努力」や「力技」が必要になります。
それから数か月もたたずに、普通は出ないと言う調整区域に土地が見つかり、家を建てることになりました。
私の仕事場からは林が見える、とても素敵な場所でした。
その林が、私たち家族の所有ではなく借景だったことは言うまでもありません。
さぁ、夢を思い描き、そうなっているイメージをたっぷり味わったら、すっぱり忘れてしまいましょう。
その夢がかなっていなくても、幸せでいましょう。
パズル7につづく(レッスンは次回!)
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(原作内館牧子さん『終わった人』)
主演の舘ひろしさんのインタビューが現在発売中の「ダ・ヴィンチ」6月号に掲載されています。ダンディな舘ひろしさんがどのように冴えない60代を演じるのか!ぜひご覧ください…
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